【SORAバイヤーがゆく!】北アルプス縦走ハイキングレポート
北アルプス縦走ハイキングレポート
SORAバイヤー 安田
8/11~8/14に北アルプス 室堂から上高地までを繋ぐ縦走ハイキングに行ってきました。
日本オートルートと呼ばれる同コースをベースに、泊まりたい場所に寄り道しつつの山行ルートです。
ちなみに元々は フランス語でオートルート(la haute route)
日本語に訳すと「高き道」というものがあり、
アルプスの最高峰モンブランの山麓シャモニから、マッターホルンの山麓ツェルマットに至る山岳路のことだそうです。
これをヒントに 日本において標高2000m以上の稜線をつないで、
立山室堂から薬師岳 黒部五郎岳 三俣蓮華岳 双六岳 槍ヶ岳をつないで上高地まで歩くのが 日本オートルートだそうです。
■累積山行記録(スントの記録より)
行動時間 33:10
行動距離 72.45km
上昇 5,131m
下降 6,055m
■行程
8/11(木)
12:30 室堂→浄土山→龍王岳→鬼岳→獅子岳→16:20 五色ヶ原テント場
行動時間 3:50
8/12(金)
3:40 五色ヶ原テント場→鳶山→越中沢岳→間山→北薬師岳→薬師岳→太郎平→17:00 雲ノ平テント場
行動時間 13:20
8/13(土)
5:40 雲ノ平テント場→祖父岳→鷲羽岳→三俣山荘→双六小屋→樅沢岳→槍ヶ岳山荘→15:40 殺生ヒュッテテント場
行動時間 10:00
8/14(日)
3:10 殺生ヒュッテテント場→ 9:10 上高地バスターミナル
行動時間 6:00
■山行内容
今回の山行は、北アルプスの二大観光地である室堂と上高地で旅行気分を味わいつつ、
日本最後の秘境と呼ばれる雲ノ平でのんびりテント泊も楽しもうという贅沢な工程です。
11日の3時頃に神戸を出発し、仮眠を挟みつつ長野県大町市の扇沢駅へ。
そこから黒部ダムへ立ち寄りつつ、正午頃にハイキングのスタート地点である室堂に到着。
黒部ダムではうっかりお土産を買ってしまい、折角荷物を厳選してきたのに早速荷物を増やしてしまいました。
初日は移動がメインの為、のんびり散歩がてらスタート。
天気も良く、今回目指す最後の山である槍ヶ岳も綺麗に見えました。
移動疲れと翌日の工程が長いので、早めに就寝。
二日目は3時頃に起床し、行動開始。
5時頃に日が出てきて、気持ちの良い稜線歩き。
でしたが、9:30頃から天候が崩れはじめ、雨風が吹き出す。
一気に修験道っぽく雰囲気が変わるのを楽しみつつ、ひたすら進む。
アルプスなので、雪渓や (特に雨だと)注意の必要なザレ場やガレ場もたくさんあります。
薬師岳からは一度下り続け、そこからまた雲ノ平に向け登ります。
雲ノ平では一瞬雲が抜け、うっすら虹も見られました。
その後はまたずっと雨に見舞われ、夜に雲ノ平で星を見ながらのんびり過ごしたかったので立ち寄ったのですが、今回は残念ながら叶いませんでした。
三日目も朝は快晴。午後から天気が崩れる予報との事でしたので、午前の内に景色を楽しむ。
槍ヶ岳も大分近づいてきました。
ひたすら進み、15時頃に槍ヶ岳山荘に到着。
ここまでくると一気に登山者だらけになり、雰囲気も初級者風の登山者の割合が多くなる。
槍ヶ岳山荘ではandwander×鈴木ともこさんの 限定コラボTが売っていました。
しばらく槍ヶ岳山荘前でのんびりした後に、殺生ヒュッテテント場へ向かい テントを張る。
あとは山の夜を楽しんで 明日朝に下るだけ…と思っていましたが、どんどん天気が荒れてくる。
今回は山での楽しみの一つである「星を見ながら寝る」が一度も出来なかったな…と考えつつ、早々に夕飯を済ませて就寝。
深夜に暴風雨で目を覚ます。
暴風による負荷が原因で ポールがテント生地を突き破り破損。
雨風もあまりの激しさで生地を通り、バシャバシャと水が入ってきました。
「これが対水圧の限界越えた時かー。」なんて思いながら寝続けていましたが、
いよいよテント内が水浸し状態になってしまい、これがあと数時間続けば行動不能になると判断した為、
起きて、着られる物を全て着用し、撤収準備開始。
3時頃、一瞬風が止んだタイミングでテントを回収して下山開始。
体温で濡れた衣服を乾かしつつ、温度調整しながら下る。
途中で雨も止み、9時頃に上高地へ到着。
定番の「上高地ソフトクリーム」を食べ、無事ハイキング終了。(これを食べないと終われない!)
そこからは…
バス[上高地→新島駅]、電車[新島々駅→松本駅、松本駅→信濃大町駅]、
バス[信濃大町駅→扇沢駅]と乗り継ぎ、その後車を回収し、そばを食べ、温泉に入り、帰路につきました。
■自身の所持品について
なるべく自社取扱製品のテストも兼ねて と思い、数製品を使用。
・TETONBROS TSURUGI LITE JACKET
新素材TAZUMAは必要十分な撥水性・防水性と 適度な通気性を持ち、
熱量の高い私でも終始オーバーヒートすることなく、快適に歩き続けられました。
さすがツルギライトと名付けるだけあり、夏の高所に適した製品と思います。
若干の風抜け感はあるので、寒がりの人はインナーでの調整をお勧めします。
私は6年程前にも一度所有しており、当時のモデルは袖がライクラ仕様で、そこの保水感が不快で使用をやめたのですが、現在はそこが改良されておりばっちり!
ジップの仕様からウエストポーチとの相性が良いのも〇。
・TRAILBUM BUMMER(30L)
シンプルな造りの為、決して気の利いた親切なザックとは言えませんが、
その分自由度が高く、工夫次第で自分にとって便利な仕様に出来る余白があるところが気に入っています。
(工夫の内容については細かく長くなるので割愛します…)
私は 無雪期水場ありの環境であれば 一週間くらいまでの山行は このザックで対応可能ですが、少し技術も必要な製品ではあるので、少し参考に慣れた方にお勧めしたいです。
・INOV-8
INOV-8はクッション性とグリップ力のバランス感が好きで履いています。
またアッパーの耐久性も十分でグラフェンソールの採用もあり、頑丈な所も良い点です。
シューレースは 結び直す手間がストレスなので、SALOMONのクイックレースに変えています。
長時間の歩行、長期間の仕様において、この優れた耐久性は是非お勧めしたいところです。
山行中は 四日間風呂に入れない状況でしたが、YODELのおかげで 毎日レモンの爽やかな匂いでリフレッシュ出来ました。
衛生的にも良いですが、気分転換の意味でも重宝しました。
欠点は大きさで、これはサンプルサイズですが これでも山では必要以上の量ですので、
次回はもう少し小さいケースに詰め替えて使用したいと思います。
(UL仕様の使い切りサイズがあれば尚GOOD!)
GOALZEROは、テント内はもちろん、ヘッドライトを使う程でもないちょっとした夜間の移動時にも役立ちました。
一番便利なのは、やはり車中泊時なのですが、こちらも縦走で選択するには重すぎることがネックです…
・SKINNERS
チェコのポータブルソックスシューズ。
テント場に到着と同時に履き替えて、足を解放。
着脱が容易なので、テントから出たり入ったりが非常に楽でした。
そういった用途には通常サンダルを持っていきますが、ボーっと歩いて岩に指をぶつけても守られている安心感と 収納性ではこちらにメリットあり。
欠点は 運動すると若干蒸れやすい・見た目程は小さくならない・見た目の好みが分かれる等。
どちらかというと海やキャンプで良さそうな製品で、かなりニッチ向けですが、持っていると役立つ一足である事は間違いありません。
・patagonia
その他 パタゴニアは全て旧品で、現在は廃盤のモデルですが、この3つは自身には欠かせない現役の製品です。
進化めまぐるしいアウトドア業界の製品の中で、ずっと使いたいと思えるところが、やっぱりパタゴニアの愛すべきところだなと感じます。
<ドラゴンフライジャケット>
フーディニジャケットの前進モデル。確か2002年製くらい?(古着で購入)
現行のフーディニより通気性が高い気がする。(その分防風性は低い。)
着倒している為、撥水性はゼロ。
ポケッタブル部分にファスナーを使用していないところも気に入っている点。
<ダックビルハット>
2014年製。
ダックビルキャップと共に発売するも、寂しく消えていった珍品。
良い点はダサいことで、悪い点もダサいこと。
個人的にはキャップよりハットの方が、トレラン感が出なくて好きです。
<ライトウェイトトラベルヒップパック>
2015年製
残念ながら現在は無くなってしまったサイズですが、
個人的にはこのサイズが色々な面でちょうど良い。
山と高原地図がジャストサイズ。
内側コーティングの劣化が始まっているが、中身はジップロックに入れているので気にしていない。
■まとめ
今回は移動を抜くと、実質計3日弱で、5,000m程登り、6,000m程下り、72km程歩いた内容で、おかげさまで汗と雨と泥にまみれながら、楽しい山旅をすることが出来ました。
乱筆ですが、なにか皆さんの参考になれば幸いです。
ありがとうございました。